こんにちは。Chihiro(@chihiro_in_NY)です。
早いもので、今の企業でエネルギーエンジニアとしてで働き始めて丸3ヶ月が経ちました。採用の段階から働き方までを通して日本との違いについて気づいたことを書いてみたいと思います。
1.残業という概念がない
現在私が働いている企業は残業がありません。というか、裁量労働制なので、そもそも残業という概念がありません。裁量労働制という制度は、やることさえやっていれば1日8時間働いたとみなしてお給料をもらえる年棒制のことです。
過去に裁量労働制を経験されている松井博さんは、以下の記事で裁量労働制について思うことを記事にされています。とても興味深い内容です。記事にもありましたが、もし成果を出すことが前提で課される裁量労働制が日本に来てしまったら、真面目な日本人は健康を害するほどの勢いで働いてしまうかもしれません。
一方で、日本で会社員として働いていた時は、毎日会社に出社し、ほぼ毎日残業をしていました。9時出社、6時退勤です(昼食の時間1時間は差し引いて考えていました)。どんな成果を出したかではなく、遅くまで残業している姿を上司に見せる事が大事だと思われているような気がしていました。
アメリカの職場で働いてると、日本人がどれだけ
— Chihiro🇺🇸引きこもり中 in NY (@chichiro_opomri) September 14, 2019
結果を出す≦頑張る姿を見せること
のが大事だと教わって来たかを実感する。みんな職務中ベラベラ喋ってて残業もほぼしないけど、やるべきことは期日までにはちゃんとやってる。
黙々と机に向かうのが良い、おしゃべりは怠慢だというのはただの幻想。
2.リモートワーク
先ほど触れた裁量労働制にも関連していますが、私の企業ではリモートワークが認められているため、家で仕事をすることが可能です。しかも労働時間が厳しくチェックされない為、ゆったりとリラックスをして仕事ができる一方で、いくらでもサボれるわけです(もちろやるべき仕事はきちんと与えられます)。
私の友達もリモートワークをしている人が多く、アメリカでは珍しいことではないようです。通勤時間も短縮できるし、非常にストレスフリーです。やることさえやっていればOKというスタンスが非常にアメリカらしいと思います。
一方日本の会社ではリモートワークを認めている会社はまだまだ少ないように思います。在宅勤務のフリーランスが増えてきていますが、企業の正社員としてリモートワークをしている人ってどれぐらいいるんでしょうか。
3.転職=向上心がある
アメリカは3~5年ごとに転職をする事が一般的だとみなされます。また、より良い機会とお給料を求めて転職活動をしている人がとても多いです。逆に同じ会社に20年とか勤めている人って「この人、なんでこんなに長く同じ会社に勤めてるの・・・?」と思ってしまいます。
転職用のサイトを見ていても、エントリーレベル(新卒ー中堅レベル)からマネージャー職(関連職務経験10年以上と)まで様々です。要するに、自分がキャリアのどのような位置にいても転職の門戸は広いのです。
一方で日本では新卒で入社した会社で長年働き、徐々に昇進していく人が大多数です。その為、同じ会社に何十年も務めている人が多く、会社の中でしか通用しない、転職市場での価値がものすごく低い人が多くなってしまうという問題があります。
4.新卒採用がない
アメリカは新卒一括採用というものがありません。職務経験がない人は、インターンシップか、エントリーレベルのポジションからスタートする必要があります。インターンシップのポジションは大学生/大学院生が在学中に就労経験を積むためのポジションだと思われているかもしれませんが、大企業がエントリーレベルの前段階として数か月トレーニングをする時の名目としてインターンシップという名前が使われることもあります。
エントリーレベルの関しても定義が曖昧で、関連職務経験が1-2年以上必要になってくるケースもあります。私の場合は今の職業に直接関連した仕事の経験はありませんでしたが、ラッキーなことに採用してもらえました。その為、年齢など全く気にもされませんし、何歳からでも新たなキャリアを始めることが可能なのです。
日本では大学や大学院を卒業したばかりの人を新卒で採用するのが一般的です。大学卒業もしくは大学院卒業の若い学生を採用して会社が教育する、というのが一般的な日本企業の考え方です。しかも、会社に入ると「社会人〇〇年目」などと名乗り、年齢の差や社会人歴の差でシビアに上下関係が決まっていきます。上司の他にも「先輩」が周りにたくさんいる状況です。まだまだ年功序列の意識が根付いているのが日本の企業だといえるでしょう。
5.給料は交渉で決まる
アメリカでは、オファーを受け取る前に給料の額について交渉をするのが一般的です。
私は今の企業での選考時、別の企業からのオファーをキャンセルされてしまった直後でかなり余裕のない就職活動をしていた為、提示額ですんなりと同意してしまいましたが、あと20Kぐらい高めに希望出していれば何か変わってたのかな?とか考えたりします(笑)まぁ今は仕事を精いっぱい頑張って、自信がついてきたら上司に給料値上げの交渉→ダメなら転職を視野に入れるというアメリカ人っぽいことをしてみようかと思います。今のお給料に全く不満はないですが、野心は持っておきたいです。
2019年最悪の出来事【大企業にオファーを取り消された】過去記事です。
一方で日本は新卒で入社して年次を積むごとに給料が上がり、更に管理職に就いたり駐在員になったりすると給料が上がっていくシステムですね。転職をして大幅に給料が上がる、という話も日本ではあまり聞かないです。やはり日本でサラリーマンとして稼ぎたいなら、メガバン、商社、大手IT、などに入社して、その中でエラくなるのが一般的です。 私が働いていた企業では、上司ですらも私の給料を知らなかったです。人事部の人間しか給料は知らなかったと思われます。
6.最後に
この時代「海外に行って働く」という選択肢が珍しいことではなくなって来ましたが、自分が実際にアメリカで就職してみると日本の大きな差は歴然であることが驚きでした。今後、人口減少により日本の労働人口が不足していくことになるので、よりよい環境とお給料を求めて転職をする人が増えていくかもしれません。
私のブログが1人でも多くの日本人に考えるきっかけを与えることができればと思います。
それでは!