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ロサンゼルス在住です。アメリカ生活のあれこれ。

【大学院留学】環境工学科というニッチな分野で私が学んだこと

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2019年5月、ニューヨーク市立大学シティカレッジ校(The City College of New York )の大学院を修了しました。

大学院での専攻は、工学部地球システム科学&環境工学という分野を選択しました。

 かなりマイナーな分野なので、こんな記事需要があるのだろうか?という気持ちはありますが、どこかでこの情報を必要としてくれている人を信じて!笑

環境工学を専攻するとどんな事を学ぶことができるのか?就職先はどんな可能性が見えてくるのか?というところを皆さんにお伝えできたらと思います。

1.何を学ぶの?

環境工学科といっても学べる範囲は多岐に渡っており、ざっくりと言うと水質汚染・土壌汚染・空気汚染・地理情報システム(GIS)・地球温暖化・ごみ処理問題・エネルギー問題などについて学ぶことができます。自分が興味がある分野に絞って集中的に特定の分野を学ぶこともできます。私は、建物のエネルギー効率や省エネ設備、また空気汚染に関心があったので、その分野の授業を取りました(難しかった・・・)。
Bachelor(学士)では基礎数学・物理・化学など一通り学ばなければなりませんが、Master(修士)ではそういった基礎知識は全て持っている前提で授業が進んでいきます。
 
 

2.取ったクラス一覧(計30単位)

このような感じで全部で9個のクラス+卒業プロジェクトを取りました。特に自分にとって役に立ったクラスは赤字になっています。

 

必修科目(12単位)

Sustainable Aquatic, Terrestrial, and Atmospheric Systems(持続可能な水、地上、大気システム)
Advanced Statistics(応用統計学)
Environmental Modeling (環境モデリング)
Strategic Management of Public Organizations(公的機関の戦略管理)
 

選択科目(15単位)

Environmental Hazards(環境破壊)
Professional Seminor in environmental engineering(環境工学のセミナー)
Air Quality Modeling(大気環境モデリング)
Fundamental Atmospheric Science(基礎大気科学)
Environmental Control - HVAC system-(環境コントロールービル空調システムー)
 

卒業プロジェクト(3単位)

Final Project (卒業プロジェクト)
 
 

3.で、結局どんなスキルが身に着いたの?

もちろん全部英語なので、英語でレポートを書いたり、プレゼンテーションをする力は身に着いたと思います。

 

その他に、環境問題の分析に特化したソフトウェアを使うことができるようになりました。

 

AERMOD(エアモッド):この空気拡散モデル用のソフトを完璧に使いこなせるようになりました。これは、特定の大気汚染物質が時間経過と共にどれだけ大気中に拡散されるのかをモデル化することができるソフトです。

 

eQuest(イークエスト):ビルの省エネ効率をモデル化できるソフトです。ビルの形、屋根や壁の素材、換気、外気温、天気など、色々な要素をインプットすることで、エネルギー効率が良いビルを実現するための最適案を出力できるソフトです。

 

MATLAB(マトラブ):要はプログラミングのソフトです。使いこなせるかといわれるとはてな(・・?ですが、簡単なコーディングは応用統計のクラスや卒業プロジェクトを通じてできるようになりました。

 
 

4.就職先は

公務員系で人気なのは、

New York City Department of Environmental Protection (ニューヨーク市環境保全課)

New York City Department of Paks & Recreation (ニューヨーク市公園緑地課)

 

あたりでしょうか。このあたりは公務員なので待遇が良く、人気です。ただ留学生がこういう機関で働いたところで将来のビザサポートまでしてくれることはないと思います。なので留学生は民間企業を選ぶことが多いです。

 

民間の大手企業では、

Langan Engineering & Environmental、Tetra Tech、Ramboll、GZAなどなど・・・。日本ではあんまり知られていない米企業ばかり。ほかにもたくさんあります。

 
 

5.就職に有利になる資格など

LEED GA

ビル省エネなどへの知識を深めたいなら、LEED Green Associate という資格が良いです。ビルの省エネ達成率によって建物をRatingするシステムです。私はこの資格を取りましたが、2時間100問の選択式問題でした。履歴書にも書けます。

 

参考サイト:

new.usgbc.org

 

Engineer In Training (EIT/FE)

 前に関連のツイートをしているので詳細は端折りますが、エンジニアだったら持っていた方がいいよね、っていう資格です。

 

参考サイト:

ncees.org

 

 OSHA 40-Hour HAZWOPER Training

今私もオンラインで受講中なのですが、この資格は250ドルほどでオンライン上で取れます。多くの環境エンジニア系の求人でこの資格を持っていることが要求されます。

 

参考サイト:

www.oshaeducationcenter.com

 

OSHA 10-Hour Construction Training

前述したOSHA 40hrsに加えて、私はOSHA10hrsの資格も習得しました。これは、建設現場での安全管理などに特化しており、環境エンジニアというよりは、シビル系のエンジニア寄りの資格だと思います。

私はビル省エネ系の求人にも応募していたので、一応この資格を習得して履歴書に書いていました。

 

参考サイト:

www.oshaeducationcenter.com

 

 

 

6.最後に

大学院留学といえば、まず最初に思い浮かぶのはMBA、ビジネス系やコンピューター系でしょう。しかし、メジャーな学部というのは裏を返せばそれだけ競争も激しいということです。

 

あまり知名度がなかったり、目立たない学部に進むと、ネットや本から全く情報を得られないので不安になることもあるでしょう。私はいくら検索しても日本人で環境工学を学んだ大学院留学経験者は見つかりませんでした。

しかし、そういう特殊な環境にいたからこそ自分のスキルを必要としてくれる企業に巡り会うことができ、留学生という立場でもアメリカに居場所を見つけることができる可能性が高くなるのだと思います。

 

もしこれから大学院留学を目指す方がいたら、色んな学部を候補に入れてみて欲しいです。そして、私のおすすめは、少しマイナーなスキルを確実に身につけることができる学部を選ぶことかな、と思います。

 

それでは、頑張って下さい!!